PDF の墨消しを確実に行う方法

最終更新日: 2026 年 9 月 25 日

  • 黒い四角を重ねただけでは、下の文字は PDF に残っています。コピーや検索で読み取れます。
  • 確実に消すには、ページを画像にしてから塗り潰し、その画像で PDF を作り直します。
  • 本文から消した語句が、しおりや添付ファイルに残っていないかも確かめてください。

黒く塗っただけでは消えない理由

PDF のページは、文字・線・画像を 1 枚ずつ重ねて描いたものです。 黒い四角を描き足すと、その上にもう 1 枚が重なり、下にある文字が見えなくなります。 しかし、下の文字のデータはファイルの中にそのまま残っています。

そのため、塗った部分をドラッグしてコピーする、PDF ビューアで検索する、テキストとして書き出すといった ごく普通の操作で、元の文字が出てきてしまいます。 裁判の資料や公的機関の公開文書でも、黒塗りの下の文字がコピー&ペーストで読めてしまった例が繰り返し報じられています。

「消したつもり」になりやすいやり方

次のやり方は、どれも見た目だけが変わり、元の情報はファイルに残ります。

やり方 残るもの
黒い四角の注釈を置く 注釈は後から動かしたり消したりできます。どけると下の文字がそのまま見えます。
ページに黒い図形を描き足す 図形の下の文字のデータ。コピーや検索で読み取れます。
文字を白くする、見えない設定にする 文字そのもの。範囲を選んでコピーすれば読めます。
トリミングで表示範囲から外す 範囲の外の文字や画像。表示範囲を戻せば見えます。
透かしや帯で覆う 下の文字のデータ。透かしは重ねて表示しているだけです。
画質が落ちるまで圧縮する 文字のデータ。圧縮で荒くなるのは画像だけで、文字は影響を受けません。
文字を「●●●」などに置き換える 文字の幅や行の配置。前後の文脈と合わせると、元の語が推測できることがあります。

確実に消す方法: ページを画像にしてから塗る

情報を確実に取り除くには、ページをいったん画像にし、その画像の上で対象の範囲を塗り潰してから、 塗り終えた画像だけで PDF を作り直します。 出来上がった PDF には「塗り潰した後の絵」しか入っていないため、下の文字を取り出す方法がありません。

このとき順番が重要です。 先に画像を PDF に入れ、その上から黒い四角を重ねると、画像の中には塗る前の内容が残ります。 「画像にする → 塗る → PDF に入れる」の順で行う必要があります。Temoto.pdf の墨消しは、この順番で処理します。

Temoto.pdf での手順

  1. エディタを開き、PDF を読み込みます。ファイルはアップロードされません。
  2. 左のメニューから「墨消し」を選びます。
  3. 「文字を選ぶ」のまま、ページ上の消したい語をクリックします。 同じ語句を文書全体で一度に選ぶことも、ヘッダーのように同じ位置を全ページにまとめて置くこともできます。
  4. 写真・図・手書きなど、文字として取り出せない部分は「範囲で囲む」に切り替えてドラッグします。 「掛かった文字を丸ごと覆う」を選んでおくと、文字の端が塗り残されにくくなります。
  5. 解像度 (DPI) を選びます。既定は 150 DPI で、上限は 300 DPI です。 上げるほど細かい文字もきれいに残りますが、ファイルは大きくなります。
  6. 「画像化する範囲」は、通常「全ページを画像化する (推奨)」のままにします。
  7. 「墨消しを適用して保存」を押し、確認のうえで保存します。この操作は元に戻せません。

保存したファイルの名前には「-redacted」が付きます。元のファイルは上書きされないので、お手元に残しておいてください。

何を消すべきか探すときは、「テキスト検索」のパターン検出が役に立ちます。 メールアドレス・電話番号・郵便番号・マイナンバー・クレジットカード番号・口座番号などの候補を一覧にし、 そのまま墨消しの候補としてマークできます。 検出は目安です。自動では適用されないので、ひとつずつ確かめてから選んでください。

仕上がりを確かめる

保存した PDF を、ふだん使っている別の PDF ビューアで開き、次の点を確かめると安心です。

あらかじめ知っておきたいこと

文字の検索やコピーができなくなります

墨消しではページを画像として作り直すため、消していない部分の文字も検索・コピーできなくなります。 下に文字を残さないための仕組みで、不具合ではありません。

ファイルが大きくなります

画像にするぶん、元のファイルより大きくなります。 小さくするには、保存した「-redacted」のファイルを開き直し、「保存・圧縮」で圧縮してください (ファイルサイズのガイド)。 墨消しを適用したあとも、エディタで開いているのは墨消し前の文書なので、そのまま圧縮しないでください。

「マークのあるページだけ画像化」は取りこぼしが起きえます

マークのないページを文字のまま残す設定もあります。 ただしこの場合、同じ画像を別のページも使っているとそのページに元の画像が残るほか、 フォントやしおり、文書の構造情報に語句が残ることがあります。迷ったら全ページを画像化してください。

本文以外に残る語句にも注意

本文から消した氏名や案件名が、しおり (目次) の見出しや添付ファイルの中に残っていることがよくあります。 墨消しの前後に「文書検査」と「しおり・添付ファイル」で確認してください。 どこに何が残りやすいかは、PDF に残る見えない情報で説明しています。